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ギルダ・ウィリアムズ「はじめに──あなたたちのゴスの深さはどれだけ? 現代におけるゴシック・アート」(2007) 2 (完)

  Gilda Williams  Introduction//How Deep Is Your Goth?  Gothic Art in the Contemporary ( The Gothic , Ed. By Gilda Williams, London: Whitechapel / Cambridge: MIT Press, 2007 , pp.12-19) (ほぼDeepL訳です) 1(前のパート) ゴシックは逃避的であり、遠い風景、失われた時代、異国風で突飛な身なりへと引きこもろうとする。また、うつ病を賛美する──望ましい生ける死の一種として。日常を超越し、反社会性を育み、未知の性を実験しようとするこの傾向は、ゴシックを思春期の完璧な避難所にする。ジェイクとディノスのチャップマン兄弟、スー・デ・ビア、リチャード・ホーキンスといったアーティストが10代の文化や行動に耽溺しているのは偶然ではないだろう。アメリカのホラー映画にはティーン向けのサブジャンルがあるのも、『アメリカン・サイコ』の主人公が若さを誇示し、逮捕されたような人格を示すのも偶然ではない。ゴシックは退行的〔regressive〕であり、子供向け〔juvenile〕でさえある。 とはいえ、ゴシックは、マシュー・バーニーの『クレマスター・サイクル』(1994-2002)のように精巧なものもあれば、ルイーズ・ブルジョワのように繊細なものであることもある。ルイーズ・ブルジョワの作品は、彫刻的形態と自伝性と、個人的シンボルが互いに絡み合い、洗練されたシュルレアリスム作品となっている。ゴシックと表現される現代の女性アーティストたちは、身体をバラバラの断片へと還元するこのジャンルの厄介な傾向をしばしば更新する(ブルジョア、シンディ・シャーマン)。他方で、喚起的で物語性のあるイメージを象徴的に使って複雑な出来事を語るという、ゴシックの伝統に従う者もいる(テレサ・マルゴレス、キャサリン・サリヴァン、あるいはついでに言うとスタン・ダグラス、ダグラス・ゴードン)。また、ゴシック小説の勇敢な女性ヒロインを再現し、禁断の風景を大胆に探検する女性アーティストもいる(ジャネット・カーディフ、タシタ・ディーン、ジェーン&ルイーズ・ウィルソン)。ウォルポールの『オトラント城』の隠し通路を旅するイザベラや、『羊たちの沈黙