トーマス・ラマール「オタクの運動への序説」(2004/06)

Thomas Lamarre, « An Introduction to Otaku Movement » in EnterText 4 (1), 2004, pp.151-187. 本稿には異なるヴァージョンのテキストがある。一方は「An Introduction to Otaku Movement」というタイトルで、Brunel Univerasity of Londonが刊行している『 EnterText 』第4巻第1号(2004年)に掲載された。こちらはET版と略記する。ET版のみに見られるパーツは 赤字 で表記する。 Thomas Lamarre, « Otaku Movement » in Japan After Japan: Social and Cultural Life from the Recessionary 1990s to the Present , Eds. Tomiko Yoda, Harry Harootunian, Duke University Press, 2006 , pp.358-394. 他方で、2006年に刊行された依田富子とハリー・ハルトゥーニアン共編の論文集では「Otaku Movement」のタイトルで掲載された。こちらはJAJ版と略記する。JAJ版のみに見られるパーツは 緑字 で表記する。 どちらが加筆された後のバージョンなのかは特定できなかった。それぞれに削除箇所や加筆箇所、段落ごと順番が変更された箇所などもあったからだ。本翻訳は、ET版をベースにしつつ、JAJ版のみに見られるパーツも適宜挿入した総合版である。段落の順序変更の場合、ET版の構成を優先させた。 (DeepLによる雑訳) トーマス・ラマール「オタクの運動への序説」 まず最初に、このエージェント、このコミュニケーションを保証する力は一体何なのだろうか? ジル・ドゥルーズ 序 純粋な内在性 ジョセフ・トビンは、ポケモンのトランスナショナルな動きについて論じる中で、「公式な」ネットワーク、つまり企業が計画し、企業が指示した「グローカリゼーション」のプロセスは、その成功の一部に過ぎなかったと指摘する (JAJ注1) 。彼は「非公式な消費ネットワーク」の重要性に言及している。「日本でテレビシリーズが放映されて...