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テッド・フリードマン「魔法の政治学:21世紀におけるファンタジーメディア、テクノロジー、自然」

The Politics of Magic: Fantasy Media, Technology, and Nature in the 21st Century  Ted Friedman, Georgia State University, USA Scope (June 2009) (DeepLによる雑訳)  2000年代はファンタジー・メディアの10年だった。2001年に始まった2つのファンタジー映画シリーズ、『ロード・オブ・ザ・リング』と『ハリー・ポッター』は、現在、合わせて歴代興行収入20本のうち8本を生み出している(Box Office Mojo, 2008)。ニール・ゲイマン、スザンナ・クラーク、フィリップ・プルマンといったファンタジー作家は、SF/ファンタジーのニッチを越えて、ベストセラーとなり、批評家からも絶賛されている。また、「ワールド・オブ・ウォークラフト」のような多人数参加型ロールプレイングゲームは、何百万人もの登録者を夢中にさせ、仮想社会全体を生み出した。  ファンタジーはあまりに遍在し、あまりに急速に浸透したため、その隆盛がいかに前例のないものであるかを忘れてしまうかもしれない。ファンタジーというジャンルには豊かな文学の歴史があるが、それは神話の膨大な伝統を現代に受け継いだものだと主張することもできる。ジャンルの狭間でさえ、SFのようなクロスオーバー的な成功や批評的な評価を得ることはほとんどなかった。アイザック・アシモフ、レイ・ブラッドベリ、ロバート・ハインラインといったSF小説家が大衆の支持を得たのに対し、ファンタジー作家で同様の影響を受けたのはJ・R・R・トールキンだけだった。『2001年宇宙の旅』(1968年)や『ブレードランナー』(1982年)といった古典的なSF映画が先見の明のある傑作として絶賛された一方で、ファンタジー映画には並列の規範が生まれなかった。ファンタジー映画に関する批評的文献は、SF映画に関する文献に比べれば矮小である。そして、今世紀で最も商業的に成功した映画シリーズ『スター・ウォーズ』(1977年公開)は、ファンタジーの多くを借用しながらも、剣と魔法をライトセーバーと宇宙船に変え、ファンタジーというジャンルの装飾を捨て、SFという一見より適切な世界に移行した。(注1) (注1) スター・ウォーズがSFと同...